猫とワタシ

PEARLの日記

今日はどんなうれしいことを発見するかしら?

この記事のみを表示するボクたちはみんな大人になれなかった

ものすごくいいサントラの映画を見ているような
気持ちになった。
読んでいる間中聞こえてくる音楽は燃え殻さんの
紡ぐ文章の独特なリズムだろうか。
軽快だけど遠慮気味に心に響いてくる音楽みたいな小説だ。

1行目から情景がハッキリと目に見える。
読者は物語の中にいて目の前で繰り広げられることを
ただ見ている。
やっぱり映画を見ている時のような感覚だ。

淡々としているけれど言葉に血が通っている。
だから何度も目頭が熱くなった。
どうということもないような場面で。
堪えられずに本当に涙したのは一箇所だけ。
家で読んでいたら号泣したかもしれないな。

「美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会った時、
これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、
ボクは幸せと呼びたい。」

「どこに行くかじゃなくて、誰と行くかなんだよ」

「人生の本当に大切な選択の時、
俺たちに自由はないんだよ。ケセラセラよ」

自分のすぐそばにいる普通の人が何気なく
話しかけてくるような気安さと心地良さと
どうしようもなくやさしい眼差しに
包まれているような感覚になる
燃え殻さんの文章はクセになりそうだ。






この記事のみを表示する絶景とファンタジーの島 アイルランドへ

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ダブリン在住の私の友人の著書
「絶景とファンタジーの島 アイルランドへ」
が5月29日に出版された。
生まれたてホヤホヤのこの本を携えて
著者の山下直子さんが緊急来日。
6月3日(土)に八重洲ブックセンターで
行われたイベントには大勢の参加者が・・・。

直子ちゃんは相変わらず縦板に水の如くの
語りっぷり。
きっと伝えたいことがいっぱい有るんだろうなぁ、
と思わされる盛り沢山なトークショーだった。
豊富な知識と経験に基づく堂々とした本物感は
充実感と混ざり合い、眩しいほどであった。
知り合いであることが誇らしくて私は鼻高々。

その嬉しい気持ちは翌日にも。
共通の友人たちと一緒に祝う出版記念パーティ。
このめでたいことを祝おうと遠方からもたくさんの
友達が参加して、ご無沙汰している方々との
会話が楽しく嬉しくて。
みんな直子ちゃんへの誇らしさを胸に
晴れやかな顔をしていたのが印象的だった。

本もガイドブックとなっているけれど
文章もエピソードも面白く、
読みものとしても楽しめること請け合い。
また、著者本人が撮影したという数々の
美しい写真を見ているだけでも
日常を離れることができるだろう。

ここまで詳しいアイルランドのガイドブックは
なかなか無いので、興味のある方、
アイルランドへ行きたいと思っている方、
是非手に取って読んでみてください。


アマゾン
イカロス出版オンライン


著者 山下直子さんのブログ
ナオコガイドのアイルランド日記



この記事のみを表示する原田マハ 『リーチ先生』

素朴で力強くやさしい味わいの民芸の世界。
イギリスからやってきて日本の陶芸に魅了された
バーナード・リーチと、日本の陶芸家や作家など
一時代を築いた錚々たる人々とのかけがえの無い
交流の日々を描いた物語。

読み始めた時にはここまで壮大な話とは思わなかった。
けれど、とても共感できたのは自然や人間の生活の
営みの中で生きる器を作る人たちの生活は、一見私たちと
なんら変わることはない。
けれど確かに言えることは、生活の些細なことも含めて
一つ一つが大切で、自分に目を向け、関わる人々や自然を
慈しみ、五感を開いて精一杯生きていたということだろうか。
私自身、何気なく身の回りにある美しさに気付く目を曇らせる
ことなくいつも持っていたいなと思った。

読み終わったら
1. 日本民藝館を訪れ、この本に出てくる人々の作品を見る。
2. プロローグをもう一度読む。
この二つを行うとさらに感動が深まるでしょう。




この記事のみを表示する私の先生

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整理していたら出てきたウェブスターの『あしながおじさん』を再読。
一体いつぶりか。
30年振りぐらい?
極小サイズの文字が辛い・・・。

読んでいたら色々と思い出してきた。
ジュディのような楽しい手紙が書きたくて、いろいろマネしていたこと。
日付が書いてあるので、ジュディと同じタイミングで書いてみようと
同じ日付の日に手紙を書いたり、わざとどうでもいいことを「二伸」
(P.S.ではなく”二伸”と書くのが私的にオツだった。)に書いてみたり。
最後に「親愛をこめて」とか「あなたのジュディより」と同じように
書いて受け取った人にビックリされたこともあったなぁ。

ジュディと同じ年頃にそんなことをしていて、あしながおじさん自身よりも
だいぶ大人になった今、再読して思ったことは、この手紙を定期的に
受け取っていたジョン・スミス氏の気持ち。
何気ない日常もジュディにかかれば真にユニークで、瑞々しく生き生きと
描かれる。そんな手紙を受け取るたび、どんなに嬉しく心躍ったことだろう!
こんな手紙をもらいたい、こんな風に手紙を書きたい。
手紙で人を喜ばせたい。
そんな風に思うきっかけは実は”あしながおじさん”だったのかもしれない。
その後も色々な書簡集や小説の中に出てくる手紙を沢山読んだけれど、
今思うと私の手紙の先生は真にジュディであった。
未だに先生のようには書けないけれど、これを読めばいつだって
その頃の気持ちがきらきらと鮮やかに蘇ることは疑いようがない。


この記事のみを表示する本日は、お日柄もよく

言葉に興味が有るのなら読んだ方がいいと薦められた本。
選挙戦を左右するスピーチライターの話だから都知事選を
目前にした今、タイムリーな内容でもあり、言葉の力を信じる
という一貫したテーマは私にとって非常に共感出来るもので
ある。
言葉そのものの力は、どこでどういう状況でどういう心情で
その言葉を使うのかによって変わってくる。魅力的な言葉も
一歩使い方を間違えれば台無しになることだってある。
けれど結局最後に行き着くのは、どんなに言葉を駆使しても
真に言葉に力を与えるのはそれを使う人間の生き方そのもの
である、ということなのだと思う。

これまで読んだ原田マハさんの小説はどの小説も、読んで
いるといつも心の底から浮かんでくる共通する思いがある。

「あぁ、私もこの世界に行きたい、仲間になって一緒に働きたい!」

それだけ登場人物が魅力的なのだ。
主人公も主人公に関わる人々も。
それぞれの生き方も。

「いますぐに、まっすぐに」

私のモットーに加えようかな。